市瀬理事長の創立記念式典のお話
【創立記念式典のお話】
南山大学附属小学校創立記念日、おめでとうございます。
きょうは、皆さんに、始めに、二つの湖の話をします。
イエスさまがお生まれになったイスラエルという国には、二つの有名な湖があります。一つは、「ガリラヤ湖」、もう一つは「死海」です。この二つの湖には違いが三つあります。一つ目の違いは今言ったように、「名前」です。「死海」は少しかわいそうな名前ですが、このように呼ばれています。二つ目の違いは「大きさ」ですね。比べてみると、ガリラヤ湖は小さく、死海は大きいです。そして、三つ目の、もっと大事な違いは何でしょうか。それは「ガリラヤ湖」は「生きている」ということです。周りには緑もあって、湖の中には魚もたくさん泳いでいます。死海は大きいですが、魚はいないようです。静かで、別の意味で、美しい湖ですが、生き生きとしてはいません。なぜ、このように違っているのでしょうか。それは、ガリラヤ湖は自分のところに川から流れ込んできた水をまた送り出していますが、死海は水をもらうだけでその水を送り出す川がないからです。そういう理由で、一方は生きている、もう一方は生きていない、ということですね。
わたしたちも同じではないでしょうか。 人からもらうだけではなくて、もらったものを人に差し出すこと。分け合うこと。そのことによって、わたしたち自身も生き生きしてきます。わたしたち一人ひとりの体も心も、神様から、そのように創られているのではないかと思います。
ところで、10月18日の土曜日には、運動会がありましたね。わたしも見に来ました。いろいろな競技で、皆さんが頑張っている様子をみて、嬉しくなりました。特に、全員リレーの時には、感動しました。受け取ったバトンをもって一生懸命に走って、次の人に渡していく。そこにも大切なことがあるようにわたしは思います。
今、皆さんは、この南山小学校で、またお家で、いろんなものを、先生方や職員の皆さんやご両親から、いただいていると思います。感謝しながら、毎日を過ごしてください。そして、もらうだけでなく、ちょうどガリラヤ湖のように、リレーのバトンのように、もらったものを他の人たち渡していく、そういう生活をしてほしいと思っています。そのようにして、この南山小学校で、「かんがえる力、やさしい心」をもった人になっていってください。