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特別支援教育 連続講座 第8回

 南山大学人文学部心理人間学科教授、保健センター長の中野有美先生をお招きして、「認知行動療法 -感情を育むコミュニケーションとその意義-」とのテーマで、第8回の連続講座(年間9回)を開催しました。

 今回は、
1.感情とは -感情の働きと重要性-
2.こころのスキルアップ教育について
3.子どもの感情を大切にした関わりについて話をしていただきました。

 1の話では、「人間の脳は、感情なしに理性的な判断が出来ないつくりになっている。」ため「理性的な判断には、感情を排して取り組むべきという考えは、的を射ていない、」とおっしゃられました。その人らしく心身が健やかに成長を遂げるには、感情の発達も大いに関係しており、従って、つらい感情をふくめ様々な感情に目を向けることは重要で、支援する大人の方に、子どもの様々な感情を受け入れる準備があることが大事であると言われました。

 2の話では、自己理解、他者理解、感情のマネジメントを目的とし、折れにくい心を育てる『こころのスキルアップ教育(対象:中高生)』への取り組み、授業での展開について紹介いただきました。そして、自分自身の様々な感情に目を向けることが出来てはじめて、これらの学びが活きてくるということをお話しされました。

 3の話では、子どもに感情活動の自覚と大切さを伝える1つの方向性として、子どもの感情に寄り添うかかわりをすることで子どもの感情にアクセスすることを挙げ、「感情に寄り添う会話のテクニック」や「イラストによる感情の視覚化」等の工夫について紹介していただきました。また、『こころを整理する図』について紹介していただき、想定される事例を使いながら使い方の流れについて教えていただきました。

 子どもの感情に寄り添うかかわりを増やし子どもの心の成長を支えていくことができるとよいと 改めて思いました。

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